Hiyori – 13 years old

息子は長男で今年13歳になりました。

出産時、呼吸に問題があり即時NICUへ入院、一時は心配しましたがその後は経過も良好で、退院してからは特に影響もなく健康に育ちました。が、物心がつき始めいろんな事がひとりで出来始める年ごろなのに、ボーっと座ったままで居る事が多く、手足の動作がどこか不自然で、知的発育が遅いのではと気づきました。当時、発育診断で通っていた病院からは、その症状から精神遅滞(知的障害)と診断されましたが、原因となる具体的な病名は分からないとの事でした。

早期発見・早期療育の観点から、PTをはじめ肢体運動のリハビリはだいぶ早くから取り組んだおかげで、ぎこちないながらも2歳半頃に歩行できるようになりました。 その後、息子が6才の時に大学病院での遺伝子検査の結果、MECP2重複症候群と判明しました。 当時はインターネットで調べてもMECP2重複症候群に関するサイトは少なく、外国の研究論文を日本語に翻訳した文献が主だったと記憶しています。そこに書かれている医師の所見が息子の身体的特徴、動作や仕草、癖などと合致する部分が多く、納得すると共に、淡々と描かれている事実に悲嘆したことを今でも覚えています。

小学校は特別支援学校に進学し、学校の先生方や級友、また周りの環境にも恵まれ、緩やかながらではありましたが息子のペースで元気に育ってくれました。 しかしながら小学校5年生の秋頃から、今まで上手に扱えていたスプーンですくった食べ物をポロポロと落とすようになり、翌年の春、6年生になる春休みに脳波測定をしたところ、医師からてんかん発作の波形が出てきていると診断を受けました。その後、てんかん発作に対する投薬治療や大学病院への長期の検査入院を経験し、難治性のスパズム(点頭てんかん)である事などが判明しました。

現在13才になり、身体の成長と共に発作の度合いも大きくなり、てんかんで頭をぶつけたり、転んで手足をすりむいたりするようになり、危険なのでヘッドギアや膝のプロテクターを装具するようになりました。治療の方は、何度も薬の変更を重ねながら、ようやく割と息子に合った3種類の飲み合わせでだいぶ落ち着いてきた感じです。

MECP2という稀少疾患はまだ世間の認知度も低く、かかりつけの医療施設ですら息子がこの症例で初めての患者だという声も耳にします。そういった難しい環境の中でも、生活の中で息子が見せてくれる満面の笑顔や嬉しそうなリアクション、安心した表情ですやすやと眠る寝顔が、私たち家族の活力であり喜びでもあります。

今はてんかん発作が最大の難題ですが、出来る事なら発症していなかった頃の生活習慣に戻れるよう、家族全員でMECP2に向き合い、治療に取り組みながら、和気あいあいと日々を過ごしています。

8歳、アメリカカリフォルニア州にて
9歳、誕生日
11歳、伊勢志摩にて
13歳、誕生日

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