Family’s voice vol.1
よく笑う子でした。
とてもいたずらが大好きで
部屋中を荒らしまわってはにこにこしていました。
食いしん坊で、弟のお皿からこっそりつまみ食いしていたこともありました。
学校の体育館におろしてやると、水に放した魚のごとくバニーホッピングであっという間にいなくなってしまいます。
そんな彼を追いかけるのがとても楽しくて、障害があっても元気でいてくれる事に感謝する毎日でした。
てんかん発作を発症するまでは。
発作の始まりはごく小さなものでした。
学校の給食の時間、首が一瞬カクンと落ちるんです、
と担任からの報告。
それは次第に増え、家でも見られるようになり
初めての脳波を取りました。
てんかんと診断されたのは小学校三年の頃。
それから様々な薬を処方されては、様々な副作用に苦しめれ、発作はごく小さなものから、多様な変化を遂げていきました。
難治性てんかんとの闘いの始まりです。
発作の度にきっと彼の神経はダメージを受けていくのでしょう。
同時に苦しむ姿を見守るしかできない家族の心も、
発作の数だけ傷ついていきました。
何もできなくていいから、苦しませたくない、
少しでも笑顔をみせてほしい。
そのささやかな願いを支えに,
この数年は必死に寄り添ってきた気がします。
息子は14歳、中学2年になりました。
今年に入ってから急速に退行し、現在は座位をとる事も困難です。
食事がとれなくなったことも多くなり、胃瘻を増設しました。
てんかんについては様々な治療法を検討しながら
現在はケトン食治療にトライしています。
多い日で日に7~8回あった強直発作、大発作が
2~3回にまで減少、
波はありますが、期待が持てる効果が出ています。
出来なくなった事を嘆くのではなく、出来る事をすこしずつ。
QOLの向上=社会参加、残存機能の維持、肺炎予防などを目標に遺伝子治療の可能性、新薬への希望を抱きながら近い将来MECP2重複症候群が根治できる日を目指して
家族会の皆さんと共に闘っていこうと思います。
#MECP2 #MECP2重複症候群 #家族の声